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医薬翻訳家への道

私が日本を去ったのは2007年です。

大手の医療機器メーカーに勤めていましたが、英語を勉強したいがためにワーホリでカナダに行くことを決めました。その当時は帰国する予定で、「帰国したら翻訳家になりたい」と思っていました。

が、はじめに(長文です)でも述べたように、カナダ生活にすっかり惚れこんでしまい「帰国して翻訳家になる」という夢を忘れて「海外で英語を使って生活する」を新たな夢に掲げての生活が始まりました。

それから日本語はほぼ使わずに英語のみで生活しました。そのおかげで、英語を使って支障なく生活したり仕事をしたりできるようになりました。

カナダにいた頃は、生きていくことで精一杯だったので、仕事に対する不満などほとんどなく、毎日仕事があることに感謝して過ごしていました。

アメリカに移住してからは、夫のおかげで「生き抜く」ことから「生活を楽しむ」ことに視点をシフトすることができました。

そこで気付いたのが、やはり外国人の私にはできる仕事に限界があるということです。

ヴァージニアビーチに引っ越してから、心臓内科のオフィスで医療事務の仕事をしてほぼ1年が経ちますが、仕事内容がどうも好きになれずに毎日不満でした。もちろん医療業界で仕事ができて大変感謝していますが、仕事は誰にでもできる受付です。毎日忙しく患者さんや看護師、医師に色々頼まれたり怒られたり褒められたりと色々なことがあります。それでもやりがいが感じられず毎日時間を無駄にしているような気持ちが高まっていくばかりでした。というのも、この「誰にでもできる」ということが引っかかっていたためです。

北米で北米人と対等に仕事をする中で英語ができるのは当たり前。これまでは、そんな自分に誇りを感じていましたが、慣れてくると当然のことをしているだけとしか感じられなくなりました。

北米人にはできない私にできることって何だろうと考え始めるようになった頃、夫と話していてハッと思い出したのが2007年に思い描いていた「翻訳家になる」という夢でした。

実は、カナダにいる時に、通信講座で少しだけ医薬翻訳のコースを受講したことがあります。が、私には全く翻訳のセンスがないというようなコメントをインストラクターからもらい、かなりモチベーションが下がり、続けることができませんでした。そんなネガティブな経験があるため、今回も踏み出すのに躊躇しました。

夫に後押しされてまた通信講座で医薬翻訳コースを受講することにしました。今度は前回利用した会社とは違い、日本でも有名な某翻訳学校が提供している通信講座です。これが、非常に役に立つ内容で、理解もしやすく、インストラクターからのコメントも非常に有益でモチベーションが上がるものでした。

翻訳家になるという夢がどんどん大きくなり、すぐに仕事探しにつなげる方法を探し始めました。そこで、多くの方がおすすめしているAmeliaという翻訳サイトに会員登録してみることにしました。前々から知っていましたが、会員になっても実際にウェブサイトを使えるまで時間がかかると思い、後回しにしていました。

初心者歓迎の求人はもちろんかなり少なかったのですが、とりあえず応募してみました。その結果、2社からトライアルの依頼がありました。1社は翻訳家ではなくて翻訳校閲者というポジション、もう1社は翻訳家としてのポジションです。1社目のトライアルは、一次トライアルで基本的な英文法と日本語文法を問う問題、二次トライアルで翻訳された文章の間違いを校正するという2段階でした。かなり時間を費やして提出した結果、晴れて合格!2社目のトライアルは一般的な文章の翻訳と専門的な文章を選択して翻訳する2パートから構成されていました。こちらは締め切りが厳しかったため、そこまで時間を費やすことができませんでしたが、なんと合格!

そんなわけで初心者の私ですが、なんと2社の翻訳会社にフリーランスとして登録することができました。

登録してから仕事をもらうまでには3ヵ月から6ヵ月かかると聞いていたので、その後はリラックスして過ごしていたら、なんと1社目から1カ月もしないうちに最初の校閲案件が届きました。

最初は医療機器の英⇒日での登録でしたが、翻訳会社さんから医療機器の日⇒英の校閲および医薬の英⇔日のトライアルの依頼もあり、こちらにも晴れて合格したため、たくさんの案件をもらえる機会が生まれたようです。

最初の案件は日⇒英の校閲作業でした。納期が厳しく、毎日フルタイムの仕事を終えてから作業し、朝も2時に起きて仕事をするという生活を送りました。無事に最初の案件を終えてからも、休む暇もなく次の案件がきました。

これを何件か繰り返すうちに、生活が非常に不安定になってしまいました。というのも、翻訳会社は日本にあるため、時差のおかげでアメリカ時間の深夜に訳文を受理して、次の日の夜8時までに提出してください、といった案件がでてきたせいです。私は毎日フルタイムで8:00-16:30で仕事をしています。なので、こういった案件がくると朝1時に起きて仕事し、フルタイムの仕事の後に仕上げてすぐに提出しなければなりません。つまり睡眠時間は3時間以下

それでも自分の日本語、英語の能力だけでなく医療機器や医薬品についての知識を身に付けることができる、まさに私が求めていたやりがいのある仕事です!

毎日フラフラの私をみた夫からフルタイムの仕事を辞めて翻訳校閲の仕事に専念したら?と提案がありました。いつ案件がくるかもわからない非常に不安定なフリーランスというポジションのためかなり悩みました。けれども、こんなに辛くても楽しんでいる自分自身を無視することができず、この度1年働いた心臓内科のオフィスを辞めることにしました!

偶然にも夫に新しい仕事が決まり、ほぼ同じタイミングでワシントンD.C.に引っ越すことが決まりました。なので、職場に報告するのも楽でした。引っ越ししようがしまいが辞めるつもりだったのですが、夫の転勤で、という理由が使えたため引き止められたり、グチグチ言われたりすることなくすっきり辞めることができました。

というわけで、これからはワシントンD.C.で医薬翻訳・校閲の仕事に専念する傍ら、オンライン英語講師の仕事を続け、ブログもどんどんアップしていきたいと思います。

医薬翻訳家になるまでにはまだまだ長い道のりですが、少しずつ着実に学んでいきたいと思います!

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