単語力・語彙力を伸ばす≠表現力が増える

私は初回レッスンの際に必ず生徒さんに目標を聞きます。中には「語彙力を伸ばしてもっと英語が話せるようになりたいです。」と言われる方がいます。

本当に語彙力を伸ばせば、英語が話せるようになるのでしょうか?

TOEICの点数が800点を越えている方は語彙力かなりお持ちかと思います。たくさん難しい単語もご存知でしょう。

私もTOEICの点数は900点以上ありましたが、当時は全く英語を話せませんでした。正直あの頃の方が今よりも難しい単語を知っていたかもしれません。それにも関わらず英会話となると頭が真っ白になるという想いばかりしていました。

なぜだろう?と疑問に思い出したのはカナダに留学してからでした。ホームステイ先にいた小さな子供達が本当に流暢に兄弟や両親と話をしているのを目にした時でした。この子達にはそんなに語彙力がないはずなのにどうしてこんなにペラペラと話しているんだろう?と集中して何日も耳を傾けているうちに気づきました。

語彙力じゃないんだ!

子供達は数少ない語彙力の中で同じ単語を使った異なる表現をたくさん知っていることに気づいたのです。

それからは、難しい単語を覚えるのを一度お休みし、中学時代に習った簡単な英単語を使って文章を作る練習を繰り返しました。

最初はなかなか作ることができなかった文章も何回か繰り返しているうちに少しずつ頭に浮かぶようになってきました。また語学学校の先生に質問したり、カフェで仕事を始めてからは、同僚や仲良くなった常連のお客様に聞いたりして1日3つ新しい表現を覚える!を目標に1年間過ごしました。

そのおかげで日常会話がすごく楽しくなった上に自分の言いたいことを伝えるのも以前ほど苦労しなくなりました。(残念なことにリスニングにはあまり効果はありませんでした。)

その過程で気づいたことですが、1つの単語を使って色々な文章を作るよりも句動詞と呼ばれる動詞+前置詞の組み合わせ熟語も併せて学んでいくとさらに効果的です。

例えば、

make

という単語を辞書で調べてみると、「作る、させる(使役動詞)、~にする、間に合う、稼ぐ…」などたくさんの意味が出てくると思います。

その一つ一つの意味を正しく理解しているかどうかを確認するために文章を作ってみます。

“You should make a To-Do list.”

「やることリストを作るべきだよ。」

 

“Don’t make me do this.”

「私にこんなことさせないで。」

 

“You make me happy.”

「あなたは私を幸せにしてくれます。」

 

“I don’t think I can make it on time.”

「時間には間に合わないと思う。」

 

“He made a lot of money last year.”

「彼は去年たくさんお金を稼ぎました。」

今度はmakeを使った句動詞make upを見てみましょう。

“You’re making that up.”

「でっち上げでしょ!」

 

“Let me make it up.”

「埋め合わせさせて。」

この他にも熟語に、make sense, make fun of, make a mistake, make a wish, make oneself at home, make a decision, make an effort, make room forなどなど、数え切れないほどたくさんの表現をmakeという単語1つを使って作ることができます。

英会話上達法:英単語⇔日本語訳での暗記には要注意でも説明していますが、単語本を使って英単語→日本語訳で1つか2つの意味だけを暗記していくのが危険なのはこのような理由からです。

まずは、中学3年間で習う英単語で十分です。難しい単語をたくさん覚えるのではなくて、中学で習った単語を使って色々な文章を作る練習をしてみてください。1日に3~5文くらい作っていくといいでしょう。もちろん誰かに話をするつもりで文章を作ってみることが一番です。スピーキング力の伸ばし方については英会話上達法:日記をつけてみようをご覧ください。また英語独学法:学んだ英語を忘れない方法も併せて参考にしてみてください。

2 thoughts on “単語力・語彙力を伸ばす≠表現力が増える

  1. veggie9 より:

    英語が話せるようになりたい→
    語彙力増やさなきゃ!→
    勉強の仕方が分からない→
    TOEICや英検勉強してみよう
    となってとりあえずテスト勉強に取り組むパターンの人は多いはず。私もかつてはTOEICの勉強をしてみたこともあります。スコアや資格が欲しかった訳では無く、結局そういった資格試験はテキストも沢山売っているし、それに沿って勉強すればいいからやり方が分からないと悩むこともなく、それに取り組んでいる時は“やってる感”があるんですよね。そして途中で気付くんです。あれ?!全然英会話上達しないんだけど!!って。難しい単語が必要なのではなく、簡単な単語や熟語をいかに使いこなせるかなんですね。確かに言われてみれば、ネイティブスピーカーが話しているのを聞いていると、知らない単語が入っていないはずなのに何言ってるのかサッパリ分からないってことが多々あります。
    中学レベルの熟語のテキスト買ってみようかな、、、

    1. Mango16 より:

      veggie9さん、私もまさにそのパターンでした!海外にいるとあんなに頑張って覚えた難しい単語はなんだったんだろうと思うくらい日常生活で難しい単語を使うことはありません(笑)もちろん知っていてマイナスになることはありませんが、それ以上に使い方を知っているか知らないかが英会話上達にかなり大きく影響してきます!どんな単語でも良いので日常生活の中でどんどん使えるようにしていくことが大切です。そうすると自然と中学レベルの基礎単語が一番使えるということに気づくはずです!

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