北米(アメリカ&カナダ)での予防接種に対する考え方

北米では予防接種(vaccination, immunization)「任意」です。

年齢に応じて推奨される予防接種のリストはありますが、必ず受けないといけないという決まりはありません。

私は日本で生まれ育ったので、予防接種に対し「任意」や「義務」といった意識を持ったことがありませんでした。学校で予防接種を受ける日には注射を打たれるくらいにしか考えてきませんでした。

なので、カナダで仕事を始めてから同僚が子どもに予防接種を受けさせるかどうかを悩んでいるのを見て驚いたのを今でも覚えています。

とはいっても公立学校では特定の予防接種が義務付けられているのが現実ですので、法律ではないといっても予防接種を受けない限りは学校に入れてもらえません。私立は学校によるようです。

私がカナダとアメリカの移民申請をした際も特定の予防接種は申請条件の一つだったため全て受けました。

親御さんが子どもに予防接種を受けさせたくない理由としては、予防接種の副作用により自閉症等の疾病を引き起こすと考える人がいるためです。医学的には予防接種とそういった疾病や障害との関連性は明らかになっていませんが、実際予防接種を受けてすぐに自閉症になったというケースは報告されているようです。

身近な例でいうと、毎年問題になるのがインフルエンザの予防接種(flu shot)です。これまた「義務」ではなく「任意」ですが、政府は国民に予防接種を強く奨励しています。今年は10年以来の最悪なインフルエンザ蔓延の危機に面しているアメリカでは、子どもの死亡例も出ていて、予防接種を受けていれば助かっていたのに、といった記事もありました。が、今年のインフルエンザ予防接種に使われたワクチン株(strain)は実際のインフルエンザウィルス(influenza virus)には効かないとも言われています。なので実際のところ死因が予防接種をしなかったためかどうかは明らかではありません。どちらにしても「任意」である以上は、受けるか受けないかは自らの意思によるので、決定には自己責任を負わなくてはなりません。

私が勤める病院でも、インフルエンザの予防接種は「任意」ですが、受けていないスタッフは施設内にいる間は100%マスクをつけなければならないという厳しいルールがあります。予防接種を受けたスタッフには接種済みを意味するシールが配布され、IDにつけなければいけません。予防接種を受けていない患者さんにもマスク使用が推奨されており、病院の至るところにマスクが置いてあります。文化の違い・海外生活: 日本人がマスクをする理由でも紹介しましたが、海外では通常あまりマスクが使用されませんが、今年はインフルエンザの脅威のためにマスクをしている人をたくさん見かけます。

余談ですが、日本ではBCG(ハンコ注射)という(肺)結核に対する予防接種を受けますよね。北米ではこのBCGは子どもの頃に推奨される予防接種のリストには含まれていません。なので、日本人やアジア人が北米にきてツベルクリン検査(TB test)を受けると陽性反応が出ることがよくあります。私もカナダで検査を受けた際に陽性反応が出て、結核だったらどうしようと無駄に悩んだことを覚えています。陽性=結核ではなくて、予防接種によって体内に注射された結核菌が残っているためである可能性の方が断然高いです。それでも、陽性反応が出た場合には、念のため胸部レントゲンをとってもらい実際に肺に何も問題がないことを確認するのが一般的な処置方法になっています。

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