北米における暖房システムの規則

カタカナ・和製英語:「クーラー」「エアコン」の中で少しお話しましたが、北米には日本のように冷房と暖房が一つになったエアコンを持っている家庭があまりありません。ほとんどの家庭やアパートでは

Central Heating and Cooling System

と呼ばれるシステムが使われています。これは、一つのボタンで家の中の温度を調整するシステムです。もちろん冷房も暖房も使えます。

ちなみに私が住んでいたトロントには暖房システムについて規則があります。アパートのオーナーは、冬の間に全部屋の温度を一定以上(21℃以上)に設定しないといけないというものです。また、冬の長いトロントということもあり、この規則は9月中旬からなんと6月初めまで適用されます。

似たような規則がこれまた私が数カ月前まで住んでいたニューヨークにもあります。ただし、ニューヨークは規定がもっと細かく、日中、外の気温が55℉(約12℃)以下になったら室内の温度は68℉(20℃)以上にしないといけないという決まりがあります。夜は外の気温に関わらず室内は62℉(約17℃)以上でないといけないという決まりがあります。17℃ってかなり寒いですよね!?ちなみに、ニューヨークの冬はトロントほど長くないということもあってか、適用期間は10月から5月末までになります。

私が現在住んでいるヴァージニア州にもニューヨークとほぼ同じ規則がありますが、外の気温や時間帯に関わらず、10月中旬から5月初めまでは室内を65℉(18℃)以上にしないといけないという規則があります。ヴァージニアはニューヨークと比べると年中気温が高めなせいか、期間も短めに設定されています。

こういった規則のおかげで北米の冬は日本と比べると気温がかなり低くなることがあっても室内はかなり暖かいです。

カナダに住んでいた頃「よくそんな寒いところに住めるね」と言われたことがあります。確かにバス停や駅まで歩いている時は凍える思いを何度もしましたが、一度室内に入ってしまうと、冬物のコートやマフラーが邪魔になるくらい暖かいのでどこに行っても寒くて嫌!という経験はしませんでした。特にトロントでは、冬でも室内ではTシャツ姿の人をたくさん見かけます。冬物のジャケットはびっくりするくらいしっかりしていて、-20℃の気候にも対応できるようなものがたくさん売っていますが、セーターやタートルネックのような暖かい洋服はそれほど必要ではありません。

それに対して日本にはこういったシステムがありませんね(寒い地域にはあるかもしれませんが)。暖房がきいていない部屋に帰り暖かくなるまでコートを着たままじーっと待っていた頃が懐かしいです。それでも日本のシステムの方が絶対に環境には優しいはずですよね。

海外留学する方や冬にトロントやニューヨークに旅行に行かれる方は、ぜひ暖かいジャケットを持参して、室内では、薄着でいられるような服装を準備することをおすすめします。

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