これも海外ドラマや映画の中でよく出てきます。
少し難しい単語ですが、英語の論文を書いたり読んだりしたことのある方は“hypothesis”という単語はご存知かと思います。この“hypothesis”ですが、「仮説」という意味ですね。
今回ご紹介する
“Hypothetically,”
は、この“hypothesis”という名詞の副詞で、
「仮に、」
という意味になります。
どちらも発音が少し難しいのですが、“hypothesis”は“po”にアクセントを置き「ハイポーセシス」のような感じ、“hypothetically”は “the”にアクセントを置き「ハイポセティカリー」のような感じで発音してみてください。あとは、どちらも“th”の発音をしっかり舌を前歯の間にはさんで、「スー」と発音するようにすれば大丈夫です。(カタカナでの表記はあくまでも参考です。)
例題を見ながらどんな場面で使われるか理解していく方がニュアンスがつかみやすいと思うので、今回も私のお気に入りの海外ドラマFriendsのシーンからいくつかご紹介します。
まずは、Season 1のEpisode 23のチャンドラーとモニカが病院でロスの前妻スーザンの赤ちゃんが生まれるのを待合室で待っているシーンでの会話です。
Chandler: “When we’re 40, if neither one of us are married, what do you say you and I get together and have one?”
チャンドラー:「僕らが40歳になって、もし、どっちも結婚してなかったら、一緒に子供を作るってのはどう?」
Monica: “Why won’t I be married when I’m 40?”
モニカ:「なんで40歳で私は結婚してないわけ?」
Chandler: “Oh, no, no. I just meant hypothetically.”
チャンドラー:「いやいや、仮にっていう意味だよ。」
Monica: “Ok, hypothetically, why won’t I be married when I’m 40?”
モニカ:「うん、じゃぁ、仮に、なんで40歳で私は結婚してないわけ?」
結局チャンドラーは何を言っても言い訳できないと思いその場から逃げるというシーンです。ここでは、チャンドラーは “if”を使っているので、「もし」というニュアンスをちゃんと込めたつもりですが、モニカは「40歳で結婚していない」というコメントが気に食わずチャンドラーに食いついています。
続いてはSeason 7 Episode 6のモニカがフィービーとレイチェルに自分のメイド・オブ・オナー(Maid of Honor)を選ぶのにちょっとした提案をするというシーンです。
Monica: “I was thinking that maybe we could come up with a system where we trade off being made of honor for each other. Like hypothetically, if Phobe were mine…”
モニカ:「ちょっと考えてたんだけど、私たちが交代でお互いのメイド・オブ・オナーになるっていうシステムを作るのはどうかな。例えば、仮に、フィービーが私のメイド・オブ・オナーだとしたら…」
Phoebe: “Yes! Oh!”
フィービー:「やった!」
Rachel: “Hypothetically!“
レイチェル:「仮にだってば!」
ここではフィービーがモニカの「仮に」という単語を無視して、自分がモニカのメイド・オブ・オナーになれると喜んでしまっています。それに対して、レイチェルはフィービーに決まったわけではないので、モニカは「仮に」って言ったでしょ!とダメ押ししています。
最後にSeason 10 Episode 2のフィービーと義理の弟のフランクJr.がフランクJr.の三つ子ちゃんの話をしているシーンです。
Frank Jr.: “Oh, I don’t know, she’s pretty tired too. I think we’ve got her on-board.”
フランクJr.:「いや、どうだろう、彼女もかなり疲れてるよ。きっと提案に乗ってくれると思うよ。」
Phobe: “Well, just you know, for argument’s sake, you know, hypothetically. Which one would you be willing to give up?
フィービー:「じゃぁ、議論をしやすくするために言うけど、仮に、三つ子のうち一人あきらめるとしたら誰を選ぶ?
フランクJr.は三つ子を育てるのに心も体もクタクタでフィービーに誰かもらってくれない?と変な提案を投げかけます。それに対してフィービーは仮に一人あきらめないといけないとしたらどの子を私にくれるの?といった質問をします。もちろん、フランクJr.はどの子も特別なので手放せないという結論に達しますが、真剣に話し合う2人がかなり面白いシーンです。
いかがでしたか?どのような場面で使われるか少しニュアンスがつかめましたか?日常会話の中で「仮に」といった表現をすることはたくさんあると思います。慣れてしまうと意外と使いやすい表現ですので、練習して自分のものにしてしまいましょう。
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