英語のテキストでもしっかり説明のあるイディオムです。
ただし、意味は分かるけれどもなかなか使いづらいイディオムでもあります。その理由は、
~を当然のこと・当たり前と考える
という不自然な意味のためです。まず、このような日本語をあまり使いませんよね?
例えば、
▲「私はあなたを当然のことと考えます。」
とは言いませんね?
そうではなく、
●「あなたが当たり前の存在になってて大切さを忘れてしまっていたの。」
というような言い方をしたりしますよね?
これが意味だけを暗記していてもなかなか文章の中で使えるようにならない理由の一つです。
この
“take~for granted”
はまさに上のような状況で使えます。英和辞典にある日本語訳だけでは不十分です。当然のことと考えていてどうなのか、その後に隠れているニュアンスが重要です。例えば、
“I was taking you for granted.”
これは恋人と喧嘩をした時、恋人に振られた時、恋人になかなか会えない時などによく使われます。「当たり前の存在になってた。」だけでなく、申し訳ないという後悔の気持ちまで含まれた表現になります。
このようにこの表現は恋人や家族や友達に対して使われるだけでなく、実は「モノ」に対しても使えます。
例えば、毎日仕事をしていて愚痴ばかりいっているとします。ある日突然久クビになってしまった時に仕事があって当たり前だと思っていたことに対して使えます。
“I was taking it for granted.”
失って初めて気づいた時によく使います。
恋人や仕事だけではなくどんな状況でも使えます。
例えば、私の夫が最近この表現を使ったのは小さい頃自然に囲まれて生活していてそれが当たり前の存在になっていたことから貴重だとは思っていなかった、と言った時です。
“I was always surrounded by nature. Now I feel how precious that was. I guess I was taking it for granted.”
もっと自然を堪能しておけばよかった、という後悔のニュアンスが含まれています。
家族に対してもそうですね。いつも近くにいるのが当然なので酷い態度を取ってしまったりしますよね。そういう時にも使えます。
できるだけ使いたくない表現かもしれませんが、知っておくと大変便利です。友達や家族や恋人に対して使う機会があるかもしれません。
“Don’t take anything for granted!”
「何事も当たり前だとは思うな。」
を人生の教訓にしている人もたくさんいます。