日常生活の中で非常によく使われる表現です。
“After you.”
直訳すると、
×「あなたの後に」
となりますが、
“(I’ll go) after you.”
と考えると分かりやすいかなと思います。
「私はあなたの後に行きます。」
という意味ですね。ここから、
「お先にどうぞ。」
という日本語の表現に当てはめることができます。この
“After you.”
には「譲る」イメージがあるため「丁寧な」ニュアンスが含まれています。
それに対して、
「お先にどうぞ。」
を直訳した、
“Go ahead.”
もよく使われる表現の一つですが、こちらはどちらかというと少し「直接的」で「カジュアル」なニュアンスが含まれています。
後ほど説明しますが、「許可」の意味合いがある表現でもあり、
“After you.”
とは少し違った意味で使われることがあります。
“After you.”
は、相手が先に何かをした後すぐに自分も同じことをする時に使います。例えば、同時に部屋に入ろうとした時や電車に乗り込もうとした時に、相手を先に行かせてあげる時などにはこの表現がぴったりです。この相手に続いてすぐに同じことをするというのがポイントです。
それに対して、
“Go ahead.”
は、「お先にどうぞ。」の意味合いもありますが、自分が相手の後すぐに同じことをしない場合にも使うことができます。例えば、公衆トイレで待っている時などですね。同じことをする予定ですが、すぐ後にではなくて、先に相手を行かせてあげて、自分は少し間をおいてから続くというニュアンスです。
少し分かりづらいですかね?
では、もう少し明らかに時間差がある例を挙げてみますね。例えば、同僚と一緒に飲み会に行く予定になっているとします。出発の時間になりましたが、自分はまだ仕事が終わらず一緒に出発することができません。そんな時、「先に行ってて。すぐに行くから。」と言いますよね?こんな時には、
“Go ahead. I’ll catch up.”
と
“Go ahead.”
を使うことができますが、
“After you.”
は使いません。ここで
“After you.”
を使ってしまうと一緒に行くニュアンスが含まれてしまい、意味不明な文章になってしまいます。
もし、同僚と一緒に出発できて、エレベーターに乗り込もうとした時に、同僚を先に行かせてあげるのであれば、
“After you.”
が使えます。もちろん、
“Go ahead.”
も使えます。
先ほど少し取り上げましたが、
“Go ahead.”
には「許可」の意味合いが含まれています。
例えば、家に遊びに来た友達が、
“Can I use your bathroom?”
と、「トイレ借りてもいいかな?」と言ったとします。
それに対して、「どうぞどうぞ」と許可を与える時に、
“Of course, go ahead.”
というように使うことができます。
また、友達に
“Can I ask you a personal question?”
と「ちょっと個人的な質問してもいいかな?」と聞かれて、「もちろんいいよ。」と答えたい時にも、
“Sure, go ahead.”
が使えます。
さらに、電話している時にもよく使われる表現でもあります。
特に相手と同じタイミングで何かを言おうとしてしまい、相手に先に話をさせてあげる時に、
“Please go ahead.”
と言い「どうぞお話ください。」のように使うこともできます。
こうしてみると、
“Go ahead.”
の方が広範囲で使えることが分かりますね。実はこの
“Go ahead.”
は今回ご紹介した以外の場面でも使うことができる大変便利な表現です。
ぜひ英英辞典等を使って、その他の意味も調べてみましょう。驚くほどたくさんの場面で使えることが分かるはずです。
いかがでしたか?
日本語の
「お先にどうぞ。」
にあたる
“After you.”
と直訳した、
“Go ahead.”
の小さなニュアンスの違いがお分かりになりましたか?慣れるまでは少し混乱しやすいかもしれませんが、どちらも日常生活でよく使える表現ですので、実際に使って慣れてしまいましょう!