ご存知の方も多いかもしれませんが、北米と日本では教育に対する考え方が異なります。私はカナダに留学した時に体験を通して学びました。
私は日本で4大を卒業して新卒で就職した後にカナダに留学しました。最初はワーキングホリデーで滞在していたのであまり感じませんでしたが、一度帰国して再留学した時にたくさんの人から背景を聞かれました。「どうしてカナダに来たの?」とか「日本では何してたの?」等々。
最初は社会人を経験してまた学生に戻っているという事実に私自身恥ずかしく思っていたのであまり人に言いたくありませんでした。
が、カナダ人の反応は私が想像していたのとは正反対でした。誰一人として「なんでまた学生しているの?」という反応をしてこなかったのです。
ほぼ100%の人に教育を真剣に受けていない人が多い中、自分で進んで教育をもう一度受けようと決意したなんて偉いね、すごいねと言われました。もちろんそう言われて嬉しかったですが、同時に衝撃を受けました。
日本で30歳、40歳過ぎて大学に入学するという話はあまり聞きませんよね。20代後半でも違和感があるかもしれません。というのも日本では高校を卒業したら大学に入学しその後就職する、というのが「誰もが進む道」だからです。最近は少し変わってきているようですが、それでも北米と比べるとまだまだ決められた人生という考え方が根付いていると思います。
このような違いがあるのには教育に対する考え方というよりも教育システムの違いにも関係があるのかもしれません。日本ではほとんどの家庭で大学まで両親が学費を支払うというのが自然だと思います。もちろん北米でも親が学費を支払う家庭もたくさんありますが、日本ほど一般的ではありません。
特にアメリカで知り合った多くの友達は自分で学生ローンを組んで学費を支払ったと言います。カナダではカナダ人・移民であれば学費はアメリカほど高くないので、学生ローンを組まずに教育を受けている人も多くいます。さらにアメリカの学費は驚くほど高いので高校を卒業してすぐに大学を行くのが日本のように「普通」と考えられていないのかもしれません。
海外の大学には高校を卒業したばかりの学生もいれば、社会人として何年も働いたことのある経験豊かな学生もいれば、主婦や定年退職した学生もいます。年齢層も広いし背景も異なるので勉強面だけではなくて、人間関係や文化を学ぶ上でも海外への大学留学は興味深い経験になります。
日本のように教育システムがしっかりしていると、成人になるまでそのシステムに沿っていけば、社会人としても問題なく生活していくことができますが、上手くいかずにつまずいてしまうと、自分で感じるプレッシャーだけでなく周りからのプレッシャーも大きく精神的に辛い思いをすることもあります。
北米ではそのようなプレッシャーは日本ほどありませんが、教育システムが日本ほど確立していないので、若い頃から自分で何がしたいのか何を学びたいのかを知らないとなかなか教育システムを上手く利用できないという問題点もあります。なので、多くの学生が仕事をしてお金を稼ぎながら自分のやりたいことを見つけて大学に行くのかもしれません。
どんなシステムや考え方にも共通していえることですが、良い点もあれば悪い点もあります。私は日本の教育システムに感謝しています。そのおかげでカナダでのカレッジ生活がかなり楽になりました。
カナダで生まれ育ち学生という経験が初めてで勉強の仕方が分からない、試験の重要性を理解していない学生をたくさん見ました。当時の私は英語はまだまだ足りていませんでしたが「学生としてするべきこと」を理解していたので予想以上に余裕を持ってカレッジ生活を送ることができました。日本のシステムで生き抜いていれば海外での学生生活はそれほど辛く感じないはずです!